<現状> 景気は、引き続き底堅さはみられるが、世界景気の減速等を背景として、このところ弱めの動きとなっている。
(先行き)
先行きについては、当面は弱めの動きも続くと見込まれる。その後は、復興需要が引き続き発現するなかで、海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待されるが、欧州や中国等、対外経済、環境を巡る不確実性は高い。
(リスク要因)
世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動等が、我が国の景気を下押しするリスク
収益や所得の動向
デフレの影響
等
○業況判断は、製造業を中心に慎重さがみられる。
○平成24年度経常利益は、大企業製造業を中心に下方修正されている。
○設備投資は、一部に弱い動きもみられるものの、緩やかに持ち直している。
○住宅投資は、このところ横ばいである。 ・2012年8月の住宅着工総戸数は、前々年比で、全国+7.8%、被災3県+25.2%。
○公共投資は、堅調に推移している。 ・2012年4-9月期の公共工事請負金額は、全国合計前年比+14.4%。
○個人消費は、おおむね横ばいとなっているが、足下で弱い動きがみられる。
○新車販売は、大幅に減少している。前月比で、8月▲8.8%、9月▲11.2%。
○有効求人倍率は、上昇している。
○完全失業率は、低下している。 ・7月4.3%、8月4.2%。
○製造業では雇用の過剰感にやや高まりがみられる。
○輸出は、弱含みである。
・対前月比で、6月▲4.1%、7月▲4.8%、8月+2.6%。
○生産は、減少している。
・対前月比で、8月▲1.3%。予測調査で、9月▲2.9%、10月▲0.0%。
○国内企業物価は、このところ下落テンポが鈍化している。
・8月は、対前月比+0.2%、対前年比▲1.9%。
○原油・穀物相場は、足下で下落している。
○消費者物価は、このところわずかながら下落している。
・8月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、対前月比0.0%、対前年比▲0.4%。
・コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、対前月比▲0.1%、対前年比▲0.6%。
○物価上昇を予想する消費者の割合は、おおむね横ばいである。
○景気は、弱めの回復テンポになっている。
・消費は、緩やかに持ち直している。
・雇用者数は、緩やかに増加している。失業率は、このところ低下している。
・住宅着工件数は持ち直しに向けた動きがあり、住宅価格は持ち直しの動きがみられる。
○中国は、景気の拡大テンポがやや鈍化している。
・中国の生産は、伸びがおおむね横ばいである。
・在庫調整が進行中で、鉄鋼等は調整圧力が増大している。
○インドは、景気の拡大テンポが弱まっている。
○その他アジアは、景気が足踏み状態にあり、生産は弱い動きとなっている。
○景気は、このところ弱含みである。
・ユーロ圏の生産は、弱い動きとなっている。
・ユーロ圏の輸出は、このところ足踏み状態にある。
・ユーロ圏の失業率は、上昇している。
ギリシャ6月24.4%、ポルトガル8月15.9%、アイルランド8月15.0%、イタリア8月10.7%、スペイン8月25.1%、フランス8月10.6%、英国7月8.1%、ドイツ8月5.5%。