基調判断
〈現状〉
景気は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっている。
〈先行き〉
先行きについては、当面は弱さが残るものの、復興需要が引き続き下支えするなかで、 海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待される。
(リスク要因)
・ 海外経済を巡る不確実性は依然として高い。
・ 雇用・所得環境の先行き、デフレの影響にも注意が必要。 等
7―9月期GDP2次速報の概要
○ 7-9月期の実質GDPは518兆円、前期比年率は1次速報と変わらず▲3.5%。
・ 7-9月期の名目GDPは474兆円、前期比年率で▲3.6%。
企業部門の動向
○ 業況判断は、製造業を中心に慎重さが増している。
○ 2012年度経常利益は、製造業を中心に下方修正されている。
投資の動向
○ 設備投資は、弱い動きとなっている。
・ 大企業製造業の設備投資計画は下方修正されている。
○ 住宅建設は底堅い動きとなっている。
・ 10月の住宅着工総戸数は、前年比で、全国+25.2%、被災3県+86.9%。
○ 公共投資は、底堅い動きとなっている。
・ 4-11月期の公共工事請負金額は、全国合計前年比+15.4%。
消費・雇用の動向
○ 個人消費は、おおむね横ばいとなっている。
・ 消費総合指数は、前月比で、9月▲0.5%、10月+0.5%。
○ 新車販売は、下げ止まりの兆しがみられる。
・ 前月比で、10月▲6.2%、11月+10.5%。
○ 雇用情勢は、改善に足踏みがみられる。
・ 完全失業率は、横ばい。9月4.2%、10月4.2%。
○ 製造業では、雇用過剰感に高まりがみられる。
輸出・生産の動向
○ 輸出は、このところ緩やかに減少している。
・ 対前月比で、9月▲2.3%、10月▲2.3%、11月▲2.3%。
○ 生産は、減少テンポが緩やかになっている。
・ 対前月比で、10月+1.6%。予測調査で、11月+▲0.1%、12月+7.5%。
物価の動向
○ 国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。
・ 11月は、対前月比0.0%、対前年比▲0.9%。
○ 原油・穀物相場は、足下で横ばい圏内となっている。
○ 消費者物価は、わずかながら下落している。
・ 10月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、対前月比▲0.2%、対前年比▲0.1%。
・ コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、対前月比▲0.3%、対前年比▲0.7%。
○ 物価上昇を予想する消費者の割合は、おおむね横ばいである。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、弱めの回復テンポが続いているが、このところ底堅さも見受けられる。
・ 消費は、緩やかに持ち直している。
・ 住宅着工件数、住宅価格は、持ち直している。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下傾向にある。
アジア経済の動向
○ 中国は、景気の拡大テンポがやや鈍化しているものの、このところ安定化の兆しもみられる。
・ 生産は、伸びがおおむね横ばいである。
・ 輸出は、伸びがこのところ低下している。
・ 固定資産投資は、緩やかな伸びである。
・ 中国の消費は、伸びがこのところ上昇している。
○ インドは、景気の拡大テンポが弱まっている。
○ その他は、景気が総じて足踏み状態になっているものの、韓国・台湾では持ち直しの動きがみられる。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、弱含みである。
・ ユーロ圏の実質GDP成長率は、弱い動きとなっている。
・ ユーロ圏の生産は、弱い動きとなっている。
・ ユーロ圏の輸出は、足踏み状態となっている。