月例経済報告(H25.2.27)
基調判断
〈現状〉
景気は、一部に弱さが残るものの、下げ止まっている。
〈先行き〉
先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを 背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。
(リスク要因)
・ 海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスク。
・ 雇用・所得環境の先行きにも注意が必要。 等
10-12月期GDP1次速報の概要
○ 10-12月期の実質GDPは前期比年率で▲0.4%。
・ 10-12月期の名目GDPは前期比年率で▲1.8%。
輸出の動向
○ 輸出は、緩やかに減少している。
・ 対前月比で、11月▲2.3%、12月+0.1%、1月▲4.9%。
投資の動向
○ 設備投資は、先行指標が持ち直している。
・ 機械受注(船舶・電力を除く民需)の1月―3月の見通しは、前期比+0.8%。
○ 企業収益は、大企業を中心に下げ止まりの兆しがみられる。
○ 住宅建設は底堅い動きとなっている。
・ 12月の住宅着工総戸数は、前年比で、全国+10.0%、被災3県+38.9%。
○ 公共投資は、底堅い動きとなっている。
・ 平成24年度4-1月期の公共工事請負金額は、全国合計前年比+14.9%。
消費・雇用の動向
○ 個人消費は、底堅く推移している。
・ 消費総合指数は、対前月比11月+0.2%、12月+0.3%。
・ 特別給与の減少に伴い、現金供与総額は弱含みとなっている。
○ 消費者マインドは、持ち直している。
○ 雇用情勢は、改善に足踏みがみられる。
・ 完全失業率は、11月4.1%、12月4.2%。
生産の動向
○ 生産は、下げ止まっている。
・ 対前月比で、12月+2.4%。予測調査で1月+2.6%、2月+2.3%。
・ 予測調査のプラス要因は、輸送機械がけん引している。
物価の動向
○ 消費者物価は、緩やかに下落している。
・ 12月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、対前月比0.0%、対前年比▲0.3%。
・ コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、対前月比▲0.1%、対前年比▲0.8%。
○ 物価上昇を予想する消費者の割合は、足下で上昇している。
○ 国内企業物価は、このところ緩やかに上昇している。
・ 1月は、対前月比+0.4%、対前年比▲0.2%。
○ 燃料価格は、足下で上昇している。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、緩やかな回復傾向にある。
・ 消費は、緩やかな増加傾向にある。
・ 住宅着工件数は、このところ堅調に増加している。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、おおむね横ばいである。
○ 財政問題は、依然懸案が残っている.
・ 自動的な歳出削減開始(3月1日)
・ 暫定予算の失効(3月27日)
・ 債務上限の適用延期期限(5月19日)
アジア経済の動向
○ 中国は、景気の拡大テンポがやや持ち直している。
○ 韓国は、景気の足踏み状態になっているものの、一部に持ち直しの動きもみられる。
○ 台湾は、景気が持ち直している。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、弱い動きである。
・ ユーロ圏の実質GDP成長率は、いずれもマイナス。
・ ユーロ圏の生産は、弱い動きとなっている。
・ ユーロ圏の輸出は、このところ弱含みになっている。