月例経済報告(H25.3.15)
基調判断
〈現状〉
景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。
〈先行き〉
先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを 背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。
(リスク要因)
・ 海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスク。
・ 雇用・所得環境の先行きにも注意が必要。 等
10―12月期GDP2次速報の概要
○ 10-12月期の実質GDPは上方改定され、前期比年率で+0.2%(1次速報は▲0.4%)。
・ 10-12月期の名目GDPは前期比年率で▲1.3%。
内需の動向①(設備投資)
○ 10-12月期は、非製造業で増加している。
・ 前期比で、製造業▲5.1%、非製造業+4.4%。
○ 企業収益は、大企業を中心に改善の兆しがみられる。
○ 資本財出荷は、下げ止まりの動きがみられる。
○ 機械受注は、持ち直し傾向にある。
内需の動向②(公共投資、住宅投資、個人消費)
○ 公共投資は、底堅い動きである。
・ 2月の公共工事請負金額は、前年比▲4.8%、前々年比+11.2%。
○ 住宅建設は、底堅い動きである。
・ 1月の住宅着工総戸数は、前年比+5.0%、前々年比+3.9%。
○ 個人消費は、底堅く推移している。
・ 消費総合指数の前月比は、12月+0.0%、1月+0.5%。
○ 株高を背景として、高額品売上が増加している。
・ 百貨店の美術・宝飾・貴金属売上は、1月の前月比+3.5%。
外需の動向
○ 輸出は、緩やかに減少している。
・ 前月比で、11月▲2.3%、12月+0.1%、1月▲4.9%。
生産の動向
○ 生産は、持ち直しの動きがみられる。
・ 対前月比で、1月+0.3%。予測調査で2月+5.3%、3月+0.3%。
○ 足下は、輸送機械がけん引している。
雇用・賃金の動向
○ 雇用情勢は、このところ改善の動きがみられる。
・ 完全失業率は、12月4.3%、1月4.2%。
・ 有効求人倍率は、12月0.83、1月0.85。
○ 現金給与総額は、所定内給与及び所定外給与が横ばい圏内である。
物価の動向
○ 国内企業物価は、緩やかに上昇している。
・ 2月は、対前月比+0.4%、対前年比▲0.1%。
○ 消費者物価は、緩やかに下落している。
・ 1月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、対前月比0.0%、対前年比▲0.3%。
・ コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、対前月比▲0.1%、対前年比▲0.8%。
○ 燃料価格は、高止まりである。
○ 物価上昇を予想する消費者の割合は、上昇している。
○ マーケットの期待物価上昇率は、上昇している。
○ 原油価格(ドルベース)は、足下でやや弱含みである。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、緩やかな回復傾向にある。
・ 消費は、緩やかな増加傾向にある。
・ 住宅着工件数は、このところ堅調に増加している。住宅価格は持ち直している。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下傾向にある。
○ 財政問題は、自動歳出削減を発動した。今後も課題を抱えている。
・ 暫定予算の失効(3月27日)
・ 債務上限の適用延期期限(5月19日)
アジア経済の動向
○ 中国は、景気の拡大テンポがやや持ち直している。インドは、景気が緩やかに減速している。
・ 12年10-12月期、実質GDP成長率は、中国7.9%、インド4.5%。
○ 中国の生産は、伸びがおおむね横ばいである。輸出は伸びが持ち直し傾向にある。
○ 中国の個人消費は、このところ伸びが低下している。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、弱い動きである。
・ ユーロ圏の生産は、このところ横ばいである。
・ ユーロ圏の輸出は、このところ弱含みになっている。
・ ユーロ圏の失業率は、上昇している。