月例経済報告(H25.4.12)
基調判断
〈現状〉
景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。
〈先行き〉
先行きについては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。
(リスク要因)
・ 海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスク。
・ 雇用・所得環境の先行きにも注意が必要。 等
企業部門の動向
○ 業況判断は、大企業を中心に改善の動きがみられる。
○ 平成25年度経常利益は、製造業を中心に増益の見込みである。
投資の動向
○ 設備投資は、下げ止まりつつある。
○ 日銀短観によると、本年度の設備投資計画はやや慎重である。
○ 公共投資は、総じて底堅い動きがみられる。
・ 3月は、前年比11.7%、前前年比▲4.7%。
○ 住宅建設は、底堅い動きがみられる。
・ 2月の住宅着工総戸数は、前年比+3.0%、前前年比+10.8%。
消費・雇用の動向
○ 個人消費は、持ち直している。
・ 前月比の消費総合指数は、1月+0.6%、2月+0.4%
○ 株高を背景に、高額品売上が増加している。
・ 百貨店の美術・宝飾・貴金属売上は、2月前月比+2.7%。
○ 雇用情勢は、このところ改善の動きがみられる。
・ 有効求人倍率は、1月0.85、2月0.85。
・ 完全失業率は、1月4.2%、2月4.3%。
○ 新規求人数は、増加している。
賃金の動向
〇 所定外給与・労働時間は、このところ持ち直しの動きがみられる。
〇 春闘の途中経過で、賃金改定率は、横ばいである。
〇 ベアの実施率は上昇している。
〇 夏季一時金は、増額が見込まれる。
外需の動向
○ 輸出は、下げ止まりつつある。
・ 前月比で、12月▲0.1%、1月+1.3%、2月▲0.8%。
生産の動向
○ 生産は、持ち直しの動きがみられる。
・ 前月比で、2月▲0.1%。予測調査で3月+1.0%、4月+0.6%。
○ 足下は、輸送機械がけん引している。
物価の動向
○ 国内企業物価は、緩やかに上昇している。
・ 3月は、前月比+0.1%、前年比▲0.5%。
○ 消費者物価は、緩やかに下落している。
・ 2月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、前月比0.0%、前年比▲0.3%。
・ コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、前月比0.0%、前年比▲1.0%。
○ 円換算のドバイ原油は、高止まりである。
○ 燃料価格は、高止まりである。
〇 輸入麦政府売渡価格は、4月から引き上げられる。
〇 電気代は、3月から上昇する。
〇 エネルギーのプラス寄与が続く見込みである。
〇 マーケットの期待物価上昇率は上昇している。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、緩やかな回復傾向にある。
・ 消費は、緩やかな増加傾向にある。
・ 住宅着工件数は、このところ堅調に増加している。住宅価格は持ち直している。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下傾向にある。
○ 財政問題は、依然懸念を残している。
・ 債務上限の適用延期期限(5月19日)
アジア経済の動向
○ 中国は、景気の拡大テンポがやや持ち直している。韓国は、景気が足踏み状態にある。台湾は、景気は持ち直している。
○ 中国の生産は、伸びがおおむね横ばいである。輸出は、伸びが持ち直している。
○ 中国の新築住宅販売価格は、上昇している。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、弱い動きである。
・ ユーロ圏の生産は、このところ横ばいである。
・ ユーロ圏の輸出は、おおむね横ばいである+。
・ ユーロ圏の失業率は、上昇している。