月例経済報告(H25.5.20)
基調判断
〈現状〉
景気は、緩やかに持ち直している。
〈先行き〉
先行きについては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。
(リスク要因)
・ 海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスク。
・ 雇用・所得環境の先行きにも注意が必要。 等
1-3月期GDP1次速報の概要
○ 1-3月期の実質GDPは前期比年率で+3.5%。
・ 実質GDPは、523兆円。名目GDPは、475兆円。
〇 雇用者報酬(名目)は、前期比で+0.4%。
外需の動向
○ 輸出は、持ち直しの兆しがみられる。
・ 前月比で、1月+1.3%、2月▲0.8%、3月+2.3%。
投資の動向
○ 設備投資は、下げ止まりつつある。
・ 前月比で、2月+4.2%、3月▲2.7%。
○ 機械受注は、3月大幅に増加している。
○ 公共投資は、底堅い動きである。
・ 4月は、前年比+28.6%。
○ 住宅建設は、底堅い動きである。
・ 3月の住宅着工総戸数は、前年比+7.3%。
消費・雇用の動向
○ 個人消費は、持ち直している。
・ 前月比の消費総合指数は、 2月+0.6%、3月▲0.1%
○ 新車販売台数は持ち直している。
・ 前月比の軽を含む新車販売台数は、3月▲2.2%、4月+7.5%。
○ 50代、60代前半が消費をけん引している。
○ 雇用情勢は、このところ改善の動きがみられる。
・ 有効求人倍率は、2月0.85、3月0.86。
・ 完全失業率は、2月4.3%、3月4.1%。
生産の動向
○ 生産は、緩やかに持ち直している。
・ 前月比で3月は+0.9%。予測調査では4月+0.8%、5月▲0.3%。
○ 3月は、化学、一般機械、電子部品等がけん引している。
企業収益の動向
〇 上場企業の収益は、改善の動きがみられる。
・ 前年比で2013年1-3月期の経常利益は、全産業+13.4%、製造業+25.1%、非製造業+2.3%。
〇 多くの企業で収益が上振れしている。
・ 実績が計画を上回った企業は、製造業で77%、非製造業で73%。
賃金の動向
〇 所定外給与は、持ち直しの動きがみられる。
〇 パートの時給は、増加している。
〇 3月の特別給与は、概ね前年並みである。
〇 一部に臨時賞与等を支給する動きがみられる。
〇 春闘の途中経過で賃金改定率は、横ばいである。
〇 ベアの実施率は、上昇している。
物価の動向
○ 国内企業物価は、緩やかに上昇している。
・ 4月は、前月比+0.3%、前年比0.0%。
○ 消費者物価は、このところ下落テンポが緩やかになっている。
・ 3月におけるコア(生鮮食品を除く総合)は、前月比▲0.1%、前年比▲0.5%。
・ コアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、前月比+0.1 %、前年比▲0.8%。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、緩やかな回復傾向にある。
・ 2013年1-3月期実質GDPは、前期比で年率+2.5%。
・ 消費は、緩やかな増加傾向にある。
・ 住宅着工件数は、堅調に増加している。
・ 住宅価格は、持ち直している。
・ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下している。
中国経済の動向
○ 景気の拡大テンポは、依然緩やかなものになっている。
・ 2013年1-3月期実質GDPは、前年比+7.7%。
・ 生産は、このところ伸びがやや低下している。
・ 輸出は、伸びがおおむね横ばいになっている。
・ 個人消費は、伸びが低下している。
・ 固定資産投資は、おおむね横ばいである。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、一部に下げ止まりの兆しもみられるが、総じて弱い動きになっている。
○ ユーロ圏の1-3月期実質GDPは、前期比年率▲0.9%
○ ユーロ圏の生産は、このところ底堅い動きとなっている。
○ ユーロ圏の輸出は、このところ底堅い動きとなっている。
○ ユーロ圏の失業率は、上昇している。