月例経済報告(H25.9.13) 基調判断 〈現状〉 ・景気は、緩やかに回復しつつある。 ・物価:デフレ状況ではなくなりつつある。 〈先行き〉 先行きについては、輸出が持ち直し、各種政策の効果が発現するなかで、家計所得や投資の増加傾向が続き、景気回復の動きが確かなものとなることが期待される。
(リスク要因) 海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスク。 |
4-6月期GDP2次速報の概要
○ 4-6月期の実質GDPは、前期(1-3月期)比年率で+3.8%。
○雇用者報酬(名目)は、前期(1-3月期)比で+0.3%。
企業部門の動向
○ 設備投資は、非製造業を中心に持ち直している
・ 4-6月期は、前期比で、合計+2.9%、製造業▲0.6%、非製造業+4.7%。
○ 機械受注は。このところ持ち直している。
・ 4-6月期は、前期比で、合計+6.8%、製造業+5.6%、非製造業+12.5%。
・ 7月は前期比で、合計▲0.0%、製造業+4.8%、非製造業+0.0%。
○ 企業収益は、大企業を中心に改善している。
・ 4-6月期の製造業の経常利益は、前期比で、大中堅企業+14.8%、中小企業▲14.6%。
・ 4-6月期の非製造業の経常利益は、前期比で、大中堅企業+18.0%、中小企業▲2.1%。
公共投資・住宅・消費の動向
〇 公共投資は、堅調に推移している。
・ 8月の公共工事請負金額は、前年比で+7.9%。
〇 住宅建設は増加している。
・ 7月の住宅着工総戸数は、前年比で+12.0%。
〇 個人消費は、持ち直しの傾向にある。
・ 消費総合指数は、前月比で、6月▲0.8%、7月▲0.1%。
雇用・賃金の動向
〇 雇用情勢は、改善している。
・ 有効求人倍率は、6月0.92、7月0.94。
・ 完全失業率は、6月3.9%、7月3.8%。
・ 雇用者数は、増加している。
〇 夏のボーナスは3年ぶりに増加している。
〇 現金給与総額は、前年比で増加している。
外需の動向
○ 輸出は、持ち直しの動きが緩やかになっている。
・前月比で、5月+0.1%、6月▲3.1%、7月+0.5%。
生産の動向
〇 生産は、緩やかに増加している。
・前月比で6月+▲3.1%、7月+3.2%。予備調査で8月+0.2%、9月+1.7%。
物価の動向
〇 国内企業物価は、緩やかに上昇している。
・ 8月は、前月比+0.4%、前年比+2.4%。
〇 ガソリン価格は、高値圏で推移している。
〇 消費者物価のコア(生鮮食品を除く総合)は、上昇している。前年比プラスである。
・ 7月のコアは、前月比+0.3%、前年比+0.5%。
〇 消費者物価のコアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、底堅さがみられる。
・7月のコアコアは、前月比+0.2%、前年比▲0.2%。
アメリカ経済の動向
○ 景気は、緩やかな回復傾向にある。
・4-6月期実質GDP成長率は、前期(1-3月期)比年率で+2.5%
・消費は、緩やかな増加傾向にある。
・雇用者数は増加し、失業率は低下傾向にある。
・企業の景況感は持ち直している。
アジア経済の動向
○ 中国は、景気の拡大テンポが、依然緩やかなものとなっている。
・ 4-6月期実質GDP成長率は、前年比で、7.5%。
・ 生産は、伸びがこのところやや上昇している。
・ 輸出は、このところ持ち直している。
・ 個人消費は、伸びがおおむね横ばいである。
・ 固定資産投資は、伸びがおおむね横ばいである。
〇 インドは、景気が減速している。
・ 4-6月期実質GDP成長率は、前年比で、4.4%。
ヨーロッパ経済の動向
○ 景気は、下げ止まり。
・ ユーロ圏の4-6月期実質GDP成長率は、前期比で、+1.2%。
・ ユーロ圏の生産は、底堅い動きになっている。
・ ユーロ圏の失業率は、高水準での横ばいである。
・ ユーロ圏の消費者信頼感指数は、持ち直しの動きがみられる。