月例経済報告

5月23日

月例経済報告(H26.5.23)

 

基調判断

〈現状〉

・景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる。

・消費者物価は、緩やかに上昇している。

〈先行き〉              

先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

 

1-3月期GDP1次速報の概要

○ 1-3月期の実質GDP(1次QE)は、前期比年率+5.9%。

○ 実質GDPが6年前の水準に回復。

・08年1-3月期530兆円→14年1-3月期536兆円。

・なお、名目GDPは、487兆円。

 

個人消費⁄住宅建設の動向

○ 3月の個人消費は、大幅に増加した。

○ 4月の自動車販売は、大幅に減少した。

○ 家電販売は、前年比マイナス幅がほぼ横ばいである。

○ 飲食料品は、前年比マイナス幅がやや縮小している。

○ 百貨店売上は、前年比マイナス幅が縮小傾向である。

○ 住宅建設は、1月から減少が続いている。

○ 一方で、旅行、外食等のサービスでは、底堅さもみられる。

 

投資関連⁄雇用・賃金の動向

○ 機械受注は持ち直している。

・産業計で前月比が、2月▲4.6%に対し3月+19.1%。

○ 公共投資は、堅調に推移している。

・前年比で、3月+18.1%、4月+10.0%。

○ 雇用情勢は、着実に改善している。

 ・有効求人倍率は、2月1.05、3月1.07。

 ・完全失業率は、2月3.6%、3月3.6%。

○ 一人当たり賃金は、3月で前年比+0.7%。

 

外需の動向

○ 輸出は、横ばいである。

・前月比は、2月+2.9%、3月▲3.6%、4月+1.8%。

○ 輸入は、横ばいである。

 ・前月比で、3月+9.2%、4月▲11.0%。

 

生産の動向

○ 生産は、このところ弱含みである。

・前月比で、2月▲2.3%、3月+0.7%。

・予備調査で、4月▲1.4%、5月+0.1%。

 

物価の動向  

○ 消費者物価は、緩やかに上昇している。

・3月のコア(生鮮食品を除く総合)は、前月比+0.0%、前年比+1.3%。

・3月のコアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合)は、前月比+0.0%、前年比+0.9%。

○ 国内企業物価は、横ばいである。

・4月は、前月比+0.1%、前年比+1.4%。

 

景気ウォッチャー調査(街角景気)  

○ 景気の現状判断は、15カ月ぶりに50割れとなった。

・家計関連では、外食産業で反動減がみられなかった。

・一方で、3月に前年比160~170%まで伸びた乗用車販売及び3月までに買いだめされた化粧品等で反動減。

・企業関連では、雑貨のトレーラ輸送の反動減が心配されたが順調に推移している。

・一方で、電気機械器具製造業では回復は秋口との見方もある。

○ 景気の先行き判断は、5か月ぶりに上昇している。

・家計関連では、家電販売において反動減が思ったほどでなく、7月ごろから上向きの可能性ありとの見方。

・一方で、乗用車販売店では反動減が予想以上に厳しく、2~3か月で回復する基調には見えないとしている。

・企業関連では、ものづくり助成金や設備投資促進税制を利用した大規模設備投資の効果が夏から秋にかけて出てくるとの期待感がある。

・一方で、輸送用機器関連・電子機器関連等では、日本向けは駆け込み需要の反動減があるとの見方。

○ 現状判断は、百貨店、家電量販店等で大きく低下したものの、反動減の収束期待もある。

○ 現状判断は、全ての地域で低下しているものの、先行判断は上昇している。

 

アメリカ経済の動向  

○ 景気は、緩やかに回復している。

・2014年1-3月期実質GDPは、前期比年率+0.1%。

○ 消費は、緩やかに増加している。

○ 雇用者数は、増加している。失業率は、低下している。

○ 住宅着工件数は、持ち直しの動きがみられる。住宅価格は、上昇している。

 

アジア経済の動向  

○ 中国は、景気の拡大テンポが緩やかに推移している。

・生産は伸びがやや低下している。

・輸出は伸びがこのところ低下している。

・消費は伸びがやや低下している。

・投資は伸びが鈍化している。

・新築住宅販売価格は上昇幅が緩やかになっている。

○ インドは、景気が底ばい状態である。

 

ヨーロッパ経済の動向  

○ 景気は、全体として持ち直している。

○ ユーロ圏の1-3月期の実質GDPは、前期比年率+0.8%。

○ ユーロ圏の生産は、底堅い動きとなっている。

○ ユーロ圏の失業率(3月)は、高水準で横ばいである。

・ユーロ圏11.8%、ドイツ5.1%、英国6.8%、フランス10.4%、イタリア12.7%、スペイン25.3%、

○ ユーロ圏の物価上昇率は、低下している。