月例経済報告(H27.5.27) 基調判断 〈現状〉 ・景気は、緩やかな回復基調が続いている。 ・消費者物価は、緩やかに上昇している。 〈先行き〉 先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、原油価格 下落の影響や各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが 期待される。ただし、海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しする リスクに留意する必要がある。 |
個人消費の動向
〇 個人消費は持ち直しの兆しがある。
・ 消費総合指数は、前月比で、1月▲0.3%、2月+0.3%、3月+0.6%。
○ 家電は緩やかに持ち直してきている。
○ 自動車販売は、弱い動きである。
・新車販売台数〈含軽〉は前月比で、2月▲2.9%、3月+1.8%、4月▲9.4%。
・前年比で、2月▲15.8%、3月▲11.9%、4月▲10.1%。
○ 百貨店・スーパーの売上は改善が続いている。
・百貨店売上高は前月比で、2月+4.9%、3月▲1.3%、4月+1.2%。
・スーパー売上高は、前月比で、2月+1.2%、3月+4.2%、4月▲1.3%。
○ 外食は、おおむね横ばいである。
・外食売上は前月比で、2月+3.1%、3月▲0.2%、4月+0.0%。
前年比で、2月+0.9%、3月▲4.6%、4月▲2.7%。
○ 消費者マインドは、持ち直している。
・消費者態度指数は、2月40.9(前月差+1.4)、3月41.7(前月差+0.8)、4月41.5(前月差▲0.2)。
住宅投資・公共投資
○ 住宅建設は、持ち直しの動きである。
・住宅着工戸数は前月比で、1月▲2.1%、2月+4.7%、3月+1.7%。
前年比で、1月▲13.0%、2月▲3.1%、3月+0.7%。
○ 公共投資は、総じて弱い動きである。
・請負金額は前月比で、2月+3.2%(出来高▲0.7%)、3月▲7.7%(出来高▲0.4%)、4月+6.3%。
雇用・賃金の動向
○ 総雇用者所得は底堅い動きである。
○ 有効求人倍率は、上昇傾向である。
・有効求人倍率は、2月1.15、3月1.15。
・完全失業率は、2月3.5%、3月3.4%。
〇 非正規雇用者比率は、おおむね横ばいである。
〇 大卒・高卒の就職率は、上昇傾向である。
物価の動向
○ 消費者物価は、緩やかに上昇している。
・3月のコア(生鮮食品を除く総合;固定基準)は、前月比+0.2%。
・3月のコアコア(生鮮食品、石油製品その他特殊要因を除く総合;連鎖基準)は、前月比+0.1%。
○ 消費者物価(コア)は、前年とおおむね同水準である。
・3月のコアは、前年比+0.2%。
・3月のコアコアは、前年比+0.6%。
○ 食料、外食、個人サービスが上昇に寄与している。
○ 電気代及び都市ガス代は、今後下落が見込まれる。
投資・収益・業況
○ 設備投資は、おおむね横ばいである。
・資本財総供給は前月比で、3月▲0.5%(前年比+4.2%)。
・機械受注は前月比で、3月+2.9%(前年比+0.8%)。
○ 企業収益は、総じて高水準で推移している。
・2015年Ⅰ期の上場企業の経常利益は前年比で、製造業で+3.4%、非製造業で▲7.3%
○ 業況判断は、おおむね横ばいも、一部に改善の兆しがある。
○ 中小企業の仕入価格DI(前年比「上昇」-「下落」)は、低下傾向である。
生産
○ 生産は、一部に弱さがみられるものの、持ち直してきている。
・2月は前月比▲3.1%、3月は前月比▲0.8%。
・予備調査で、4月は前月比+2.1%、5月は前月比▲0.3%。
○ 輸送機械及び電子部品・デバイスは、このところ横ばいである。
・はん用・生産用・業務用機械は前月比で、3月+1.1%、4月(予測)+7.5%、5月(予測)▲0.2%。
・電子部品・デバイスは前月比で、3月+1.0%、4月(予測)+4.1%、5月(予測)+3.9%。
・輸送機械は前月比で、3月▲0.3%、4月(予測)▲3.9%、5月(予測)▲5.1%。
○ 輸送機械の出荷は横ばい、在庫は調整の動きがみられるものの、高水準で横ばいである。
○ 電子部品・デバイスは、出荷・在庫が同時に増加している。
外需
○ 輸出・輸入は、おおむね横ばいである。
・輸出は前月比で、3月+2.4%、4月▲1.1%。
・輸入は前月比で、3月▲8.5%、4月+5.6%。
〇 輸出は、アジア向けがおおむね横ばいである。
○ 経常収支(月次)の黒字幅は、3月は拡大している。
○ 旅行収支の黒字幅は、拡大している。
・旅行収支は前月比で、2月+316.5%、3月▲18.4%。
景気ウォッチャー調査
〇 景気の現状判断は、5カ月連続で上昇した。
・現状判断DIは、2月50.1(前月差4.5)、3月52.2(前月差2.1)、4月53.6(前月差1.4)。
○ 現状判断は、多くの地域で上昇した。
○ 先行き判断は、5か月連続で上昇した。
・先行き判断DIは、2月53.2(前月差3.2)、3月53.4(前月差0.2)、4月54.2(前月差0.8)。
○ 先行き判断は、多くの地域で上昇した。
アメリカ経済の動向
○ アメリカの景気は、このところ弱めの動きも見られるが、回復が続いている。
○ 2015年1-3月期実質GDPは、前期比年率+0.2%。
○ 設備投資は、このところ弱い動きである。
○ 雇用者数は増加し、賃金の伸びはおおむね横ばいである。
○ 消費は、増加している。
ヨーロッパ経済の動向
〇 ユーロ圏では、景気は持ち直している。
・ユーロ圏の2015年1‐3月期実質GDPは、前期比年率+1.6%。
・ユーロ圏の輸出は、持ち直している。
・ユーロ圏の失業率は、低下傾向にあるが、このところ横ばいである。
・ユーロ圏の物価上昇率は、マイナス幅が縮小し、4月には5か月ぶりに横ばいである。
アジア経済の動向
〇 中国:景気の拡大テンポは、一段と緩やかになってきている。
・ 消費は、伸びがやや低下している。
・ 生産の伸びは、鈍化している。輸出の伸びは、やや低下している。
・ 固定資産投資は、伸びが一段と鈍化している。
〇 韓国:2015年1-3月期実質GDP成長率は、前年比+2.4%。
○ 台湾:2015年1-3月期実質GDP成長率は、前年比+3.4%。
○ インドネシア:2015年1-3月期実質GDP成長率は、前年比+4.7%。
○ タイ::2015年1-3月期実質GDP成長率は、前年比+3.0%。