あけましておめでとうございます。
皆様には、輝かしい新年をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
令和5(2023)年の干支は、癸卯(みずのと・う)です。
「癸(みずのと)」は、大地を潤す恵の水を表し、「卯(う)」は、「開かずの扉を力で押し開ける姿」を表している
といわれております。
一昨年に続き、昨年も新型コロナウイルス感染症が私たちの生活に大きな影響を与えた一年でした。
一方で、ワクチンの普及と接種の効果もあり、徐々にではありますが感染状況が好転し、経済回復の兆しが
見え始めた年でもありました。
また、昨年は、ロシア政府のウクライナ侵攻等、政治経済や軍事にわたる各国の競争がより顕在化した年でも
ありました。
新型コロナウイルス感染症や国際情勢の変化と緊迫化、それに伴う原材料物資の価格上昇等、 国内外の
さまざまな課題から国民の皆様の不安を払拭しなければなりません。
政府与党では今、日本経済の再生を最優先の課題として「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、
「成長の為の投資と改革」といった3つの重点分野を積極的に推進し、激動する国際情勢に真正面から立ち
向かい、コロナ禍・アフターコロナの時代の経済・産業が健全に進展していくための施策に果敢に取り組んで
おります。
「癸卯(みずのと・う)」の今年は、様々な困難を打開し、更なる成長を遂げるための大切な一年になるといえる
のではないでしょうか。
旧年中は大変お世話になりました。
昨年3月30日、田中角栄先生や金丸信先生を始め仰ぎ見る先生方が会長を務められた「全国治水砂防協会」
の9代目会長に就任しました。国土強靭化や国土の保全及び土砂災害防止等を担う重責に、身が引き締まる
思いであります。
治山治水は、国の基本的なインフラです。昨今の気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化に対応し、国民の
生命・財産を守り社会インフラの重要な機能を維持するためにも、災害に強い国土づくりに精魂込めて努めて
まいります。
また、8月10日の自民党役員人事で選挙対策委員長を拝命いたしました。党四役という大変な要職に、あらた
めて責任の重大さを感じつつ職務にまい進しております。
先の第210回臨時国会で、衆議院小選挙区の定数を、5都県で10増、10県で10減ずる、いわゆる「10増10減」
の公職選挙法改正案が成立いたしました。選挙は、民主主義の根幹であります。選挙対策実務の統括や、
「10増10減」という大幅な衆議院小選挙区の新区割りを受けてのルール作りや候補者調整等、与野党交えて
広く意見を聞きながら、これまでの経験を活かして取り組んでまいります。
まもなく、第211回通常国会が召集されます。国際情勢が日本に与える影響や新型コロナウイルス感染症の
変異株の流行を注視しつつ、少子高齢化や国土強靭化等、国政の諸課題に果敢に立ち向かってまいります。
引き続き、ご指導くださいますようお願い申し上げます。
昨年2月24日、自民党は「食料安全保障に関する検討委員会」を創設し、私が委員長に就任いたしました。
人口減少で産業構造が弱体化してきている中で、新型コロナウイルスの感染拡大やロシア政府によるウクライナ
侵略といった新たなリスクの発生により、食料安全保障上の懸念は高まりつつあり、「お金があれば物や食料が
買える」という時代ではなくなってきつつあります。農地や資材の確保・流通、消費の合理化等、国政の多岐に
わたって、リスクを再整理し、食料や生産資材の輸入依存脱却など、日本の農政の大転換を計っていかなけれ
ばなりません。
その意味でも、私の故郷であり、選挙区の大隅・霧島・熊毛は素晴らしい可能性を秘めた地域です。
昨年10月、地元・鹿児島県で開催された第12回全国和牛能力共進会は、私も8月の鹿児島県の最終予選会
から、全共本大会に連日出席し応援させていただきました。鹿児島県が2大会連続の和牛日本一に輝き、栄え
ある内閣総理大臣賞を、姶良地区の牛が受賞いたしました。選挙区の和牛が日本一の原動力となったことは
私の誇りでもあります。その黒毛和牛をはじめ豚、ブロイラー等は、日本有数の産地であり、各市町村の農業
生産額も伸びてきております。
シラス台地で、園芸作物の栽培が困難であった大隅半島では、農業用水の確保が大きな課題でありましたが、
国営かんがい排水事業を導入し、水のある農業を推進してきたことにより、いまや全国有数の茶産地となり、
ピーマンやサヤエンドウはじめとする新鮮な農作物が全国に向け出荷されております。
甘藷(サツマイモ)については、その名の通り一大生産地であります。このところのサツマイモ基腐病につきま
しては、生産者の皆様や関連産業に携わる皆様にご心配をおかけしておりましたが、何とか解決の目途がつき
そうなところまでこぎつけました。
このほかにも、大隅・霧島・熊毛地域には、ハマチ・ブリ・カンパチ、さらにはウナギや鮎、サーモンの養殖に
代表される水産業をはじめ林業や施設園芸等、多くの産業が育ってきています。日本の食料供給基地として
大隅・霧島・熊毛地域の果たすべき役割には大きなものがあります。
人口減少が進行し、地方の過疎化が進みつつある昨今、「地方創生」により地域社会の維持発展を図っていく
ことは、国政の喫緊の課題でもあります。
新型コロナウイルス感染症は、国民の皆様の生活・経済活動に未曽有の影響を与えましたが、地方の良さが
見直されるきっかけにもなりました。地域が大きく動き出していることをひしひしと感じております。地方の再生
なくして国家の発展はありません。地方の元気は日本の活力の源であり、地域の元気が日本の未来をひらき
ます。
今後とも、「大隅・霧島・熊毛の元気が日本の未来をひらく!」を政治信条に、ふるさと・鹿児島と国家の
進展のために、精魂込めて努力して参ります。
本年も引き続き、皆様のご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
令和5年元旦
衆議院議員 森山 ひろし